TANAKA DENSHI TWELVE #12

田中電子のミッション。
携帯電話業界の社会的地位を上げる

「もっと認められていい。
もっと地位を上げていこう」

ショップで働く人は、実はとてつもなく高度な仕事をしている。なのに「印象」が追いついていない。そう感じた背景と、業界の歴史的なイメージのズレをひもときながら、過小評価されがちな携帯電話業界の、真の価値と誇りを語ります。

業界で働く人の社会的地位を上げる

最終回のテーマは、当社のミッションについてです。

端的に言うと、通信キャリアショップ代理店業界で働く方々の社会的地位を引き上げたい、向上させたいという思いです。

業界の中にいる方からしたら「それはいいことだ」と思っていただけるはずですが、なぜ私がそれをミッションにしたいと思ったのか、そのきっかけからお話しします。

現場で感じた
「この仕事、すごすぎる」という実感

私がキャリアショップの現場に1スタッフとして入って、しばらくして強く感じたのは「この仕事はとてつもなく高度だ」ということです。

覚えることが本当に多いんですよね。しかも常に変わります。料金プランも、推すべき内容も、運用もどんどん更新されます。その中で営業・販売として成果が求められて、さらにお客様のニーズに合わせて多様な商材を提案しなければいけない。加えて、接客としての品質も求められる。崩した言い方をすると「愛想よく」も必要です。

そして、フローチャートがとにかく複雑です。商材の数が10や20では効かない。50でも効かないのでは、と思うくらい多様なものを、お客様ごとに当てはめて提案します。判断の複雑さ、瞬時に求められる対応力は、相当高いです。

情報を扱う責任が重いのに
評価が追いついていない

現代において急速に価値が増したものは、情報だと思っています。

個人情報の漏えいがニュースになる時代です。その中で、キャリアショップのスタッフは、生活の中で扱われる重要な情報を現実的に取り扱う立場にいます。制度やルールも厳格で、その中で頑張っています。

金融機関はお金を守る責任がある、医療は命や健康を守る責任がある。だから社会的な評価も高い。では、情報という価値が高まっている今、情報を扱い守っている仕事が、もっと認められていいはずだと私は思いました。

「責任が重い」というのは、私はいいことだと思っています。重い責任を担って、高いスキルを発揮して日々こなしている。だからこそ、もっと評価されていい。私は22歳の時点で、そう思ったんです。

ショップ店長と銀行支店長の
“印象の差”に悔しさが残った

同時に、現実も見ました。

「キャリアショップの店長なんだよね」と言うのと、「どこどこ銀行の支店長なんだよね」と言うのでは、周りの受け止められ方が違う。圧倒的に差がある。私は当時、それを強烈に痛感しました。

だから、胸を張って言える職業にしたいと思ったんです。言い方は生々しいかもしれませんが、周りの反応が変わる職業の“響き”ってありますよね。その差があるのは、やっていることの価値に比べて、評価や印象が追いついていないからだ、と感じました。

職業の地位は実力だけじゃなく
「印象の設計」でも変わる

社会的地位って、実はイメージ戦略や印象の積み重ねで大きく変わる側面があります。

例として、時代によって職業の見え方が変わることがありますし、客室乗務員のように、日本ではブランド化がうまくいって「職業としての印象」が高くなっている例もあります。やっている役務の本質だけで決まるのではなく、社会がどう見ているかで印象は変わっていく。

だからこそ、携帯電話業界も「印象を進化させなきゃいけない」と思っています。提供している価値は、昔と比べて圧倒的に進化しているのに、印象が追いついていない。そこは業界として失敗している、と私は見ています。

商品を売る場所から生活のコンサル窓口に変わった通信キャリアショップ

業界の歴史として、最初は“まさに小売り”でした。携帯電話という商品を流通させる場所で、シンプルに仕入れて売る。ニーズが高い商品を扱う家電専門店のような側面もあったと思います。

でも今は違います。携帯は1つの媒介に過ぎず、その周りにライフラインサービスも含めた多様な提案が乗っています。個人の生活におけるコンサルティング窓口のように変貌している。それなのに「ショップ」「店長」という言い方の印象は昔のまま引きずっている。そのギャップが大きいんです。

携帯が“ライフライン”になった今、
仕事の価値はもっと上がるべき

携帯がないと何もできない。地図も見られない、連絡も取れない、調べられない。体の一部みたいな存在になっている。ライフラインとしての価値は急速に大きくなっています。

その中心で、国民の生活に関わる手続きを支え、情報を守り、複雑な選択肢を整理して提案し、長時間1対1で接している。これだけ社会的価値の高い“コミュニケーションのインフラ”は強烈です。

全国に店舗があり、1回あたりの滞在時間も長い。しかも定期的に人と人が向き合って話す場が、あの規模で存在している。これって他にないんですよね。

地位を上げるには「数字」だけでも
「綺麗ごと」だけでも足りない

社会的地位を上げるために必要なことは、綺麗ごとではなく現実の積み上げだと思っています。

営業・販売である以上、高い実績にコミットできるプロフェッショナルであることは前提です。数字は大事です。ただ、それだけでもダメで、取れれば何でもいいという間違った考えは排除しなければいけない。

お客様への品質、セキュリティ意識、コンプライアンス意識。情報という重要な価値を扱う以上、そこを当たり前にできる業界にしていく必要がある。

急速に成長しすぎた業界だからこそ、荒削りなままスケールしてきた部分もある。だから今が、クオリティを本質的に磨くタイミングだと思っています。

誇りを持ってほしいからこそ
「ちゃんとしよう」と言いたい

私は「誇りを持ってほしい」と本気で思っています。立派なことをしているからです。

でも誇りを持つためには、現場がちゃんとしていく必要もある。だからこそ「ちゃんとしよう、私たち」と言いたいんです。認められていい、もっと報酬をもらっていい。そのためのプロとしてのレベルを上げる。心構えや姿勢を馬鹿にしないで磨くそこにどこまでこだわれるかが、業界の未来を決めると思っています。

「理想論」と笑われても、
理想は言わなきゃ始まらない

ミッションとか、日本一とか、大きいことを言うと「理想論だ」と笑われる空気はどこにでもあります。でも、理想って言わなきゃダメだと私は思っています

簡単じゃないのは分かっています。今日明日で変わる話でもありません。それでも、理想は存在しているし、追求するのをやめちゃダメなんですよね。「できるわけないじゃん」で止めたら終わりです。そういう姿勢を崩さずにいたい。そういう人たちが多い業界って、かっこいいと思うんです。

話し手

田中 秀司

田中電子株式会社 代表取締役社長

1990年生まれ。田中電子の二代目社長。27歳で社長就任後、第二創業期を牽引し、46店舗まで事業を拡大。創業40年以上の歴史と若い価値観を融合させ、通信キャリアショップ代理店として日本一を目指す。

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