TANAKA DENSHI TWELVE #10

選ぶためじゃない、知るための面接。ポイントはこれだ!

「選考ではなく
お互いを知るプロセス」

営業販売の仕事で大切なのは人と関わることから逃げないこと。それがプロとしての第一歩。田中電子にフィットする人を深掘りします。

誰と働きたいか、フィットする人の話

今日のテーマは、どんな人と一緒に働きたいか、という話です。
ただ、こちらが上から「選ぶ」という感覚はあまり好きではありません。双方で選ぶものですし、フェアでありたい。なので、表現としては「当社でフィットしやすい人」と言ったほうが近いと思っています。

当社の仕事は携帯電話の世界での営業販売です。つまりコミュニケーションワークです。だから前提として、コミュニケーションから逃げないことが必要です。

当たり前すぎる話に聞こえるかもしれませんが、あえて言います。営業販売が嫌になってしまって離職する、というのはありがちだからです。理由は本人だけではなく、環境要因などいろいろあると思います。ただ、結果として嫌になってしまうと、才能以前のところで厳しくなってしまいます。

料理人が料理を嫌になったら厳しいのと同じで、営業販売も同じです。だから、能力の話の前に、対人コミュニケーションをそこまで苦にしていないか、むしろエネルギーが出る側か、という確認が大事だと思っています。

店舗の仲間ともちゃんと向き合えるか

コミュニケーションは、お客様に対してだけではありません。同じ店舗で複数のメンバーと働く以上、店舗内のコミュニケーションも重要です。

一致団結して、という大げさな話をしたいわけではありません。ただ、人を過小評価しないで、相手を思いやったコミュニケーションを取ろうとする姿勢は大事です。これは上司部下だけでなく、同僚同士でも難しいところなので、なおさらだと思っています。

頑張りは中身よりまず投下時間

ここからは、必須条件というより、僕が個人的に見てしまうポイントです。

よく学生時代に何を頑張りましたか、という質問がありますよね。僕はこれを、選びたいからというより、どんな人か知りたいから聞いています。

その時に僕がよく聞くのが、どのくらいの時間を投下していたか、です。学生時代は特に、熱を入れていたものと投下時間がほぼ一致するケースが多いと思っています。

ゼミが一番ですと言われても、週1回90分だけなら、それは本当に一番なのかな、と分かってしまう。逆に、バイトにものすごく入っていた、趣味に相当時間を使っていた、という話のほうが、その人の熱量が見えてきます。

似て非なる
苦しい努力と苦にならない努力

投下時間を聞いていくと、その人がどこで頑張れるのかが見えてきます。

苦しいけど頑張った、という話も素晴らしいです。そこには胆力が出ます。一方で、かなりの時間を投下しているのに本人はあまり苦にしていない、という領域があります。僕はそこに、才能の要素が隠れているケースが多いと思っています。

例えば、バイトで稼いでギターを買うために短期間で集中的に働いた、みたいな話。理由がリアルで、行動に熱が乗っている。そういうところから、その人の頑張り方が見えます。

もしゲームをすごくやっていました、という話でも、種類によります。与えられたコンテンツを楽しんでいるだけなのか、その中に対外性があるのか。例えばeスポーツの大会に出ているなら、相手という変数が出てきますし、競争やコミュニケーションの要素も出てくる。そういう話だと、僕の見え方は変わってきます。

これは選考要素というより、あくまで僕個人がなるほどと思うポイントです。

学歴や点数は一部の証明

学歴や受験の点数は大事ですし、高いに越したことはないのは分かります。ただ、教育課程のスコアは能力の一部しか証明していないと僕は思っています。

暗記力は証明しますし、受験は大変なので、やり抜く力や忍耐力も証明します。でも、当社で重要になるコミュニケーションワークから逃げない姿勢などは、そこでは証明されません。

だから、仕事に必要な素質がどこにあるかに連動した質問をしないといけない。そう考えています。

測るより知りたい、
だから答えは率直でいい

僕が面接で大事にしているのは、測ることより知ることです。どんな人なのかを知りたい。

そのために、できるだけ柔らかい空気で聞きたいと思っています。営業販売の仕事は、100人いたら100人が絶対やりたい、となるタイプの仕事ではない。苦手だと感じる人がいるのも当然ですし、それは悪いことではありません。

だからこそ、お互いにすり合わせないと不幸になります。知ることは、すり合わせのために必要です。

リーダーとどう付き合ってきましたか?

人柄やコミュニケーションのスタンスを知るために、僕はこんな問いも大事だと思っています。

例えば、どんなキャラクターだと思われることが多いか。コミュニティによってキャラは変わるのか。合わせる力が強いのか、合わせさせる力が強いのか。

リーダー経験があるかどうかも聞きます。ただ、リーダー経験がない人のほうが多い。だからこそ、リーダーに対してどんな態度で生きてきたのか、部長はどんな人だったのか、部長と仲が良かったのか、そういう関係性からも見えてくるものがあります。

部長と合わなかった、という話が出ても構いません。世の中には、リーダーになったから立派、というわけではない人もいますし、若いうちほどそういうことも起こりやすい。そこはフラットに聞いていけばいいと思っています。

会話の中で仮説を立てて
もっと知りにいく

僕は、相手のことをできるだけ知りにいきます。

過去の話を聞いて、今はこう考えているからこういう行動が多いのでは、と仮説を立てて確認します。違っていたら言ってください、と言いながら、思考回路を一緒に整理していく。そういうやり取りが多いです。

そこまで知れれば、その人にとって当社の仕事がフィットするのか、ストレスが強いのかが見えてきます。ストレス要素がありそうなら、そこも正直に聞きます。飲めるストレスかどうかが大事だと思っています。

リーダーの理想は
負けず嫌い・思いやれる・根は真面目

店長やマネージャーなど、リーダーに回ってもらうとしたら、という話もしました。

理想で言うと、負けず嫌いがありながらも、人を思いやれて、根は真面目。この組み合わせが一番強いと思っています。

ただ、これが難しい。負けず嫌いでナンバーワンを目指すのに、人を思いやるのは矛盾して見えるかもしれない。でも、組織を勝利に導く姿勢は必要ですし、妥協が軽いと成果は上がりません。

一方で、勝てば何でもいい、相手を切り刻むようなスタンスでは、人はついてこない。強くても、ついてこない。だからこそ、強さと優しさの両方を持てるリーダーが理想です。

できている人ほど、なぜ自分ができているのか分かっていないことがあります。センスの問題にされがちですが、要素を言葉にすれば技術になる。そういう意図で入れています。

攻撃性が出る理由は分かるけど
部下は背景まで見てくれない

実力をつけてきた人ほど、コンプレックスや不安を打ち消すために頑張ってきたケースも多いと思います。だから、不安がくすぐられた瞬間に怒りが発動してしまう、というのもあるあるです。

でも、部下はそこまで背景を見てくれません。機嫌が悪い、と思われるだけです。完璧な人はいませんが、そうならない努力は必要だと思っています。

選ぶではなく、
お互いが気づける場が理想

今日の話は、採用基準を突きつけるというより、見ているポイントを明かした、という感覚です。教えてほしい、知りたい、というスタンスです。

お互いに知っていって、結果として相手が「自分はフィットしないかもしれない」と気づき、こちらも「確かにそうかもね」となるなら、それが一番フェアだと思っています。

採用は雇用主が選ぶ側に見えがちですが、今は求職者が選ぶ側でもあります。だから、しっかり選びに来てほしい。そのためにこちらも情報を出す。お互い素直に知ろう、というのが大事です。

曲がり木で丈夫な家を作る、
それが組織づくり

最後に、僕が好きな言葉を話しました。

優秀な大工は曲がり木で丈夫な家を作る
大したことない大工は曲がり木を削って角材にする
角材だと作れるけれど細くなって 丈夫な家にはならない


組織も同じで、曲がり木を組み合わせて強くする。中身がスカスカではだめですが、ちゃんと組み立てれば強みになる。みんなができるような環境づくりをして、組織として組み立てていく。それが僕の意思でもあります。

話し手

田中 秀司

田中電子株式会社 代表取締役社長

1990年生まれ。田中電子の二代目社長。27歳で社長就任後、第二創業期を牽引し、46店舗まで事業を拡大。創業40年以上の歴史と若い価値観を融合させ、通信キャリアショップ代理店として日本一を目指す。

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